ワイン&ハイボールつちやさんでの一コマ

コロナ以降、ライブ演奏機会がピタッとなくなった。我々のメイン活動拠点はビールやお酒の美味しい10席~20席程度のバー。真っ先に感染源になっちゃうところだから、まん延防止なんちゃら下ではライブどころか営業さえ難しかっただろう。

我々の方もコロナで生活環境や職場環境が大きく変わり、なかなか開催の見通しが立たないライブのために二人で曲作りをする時間を取ることができなかった、という事情もある。私なんかは、少し時間があいたらフィドルの練習をしてた。←いつか木フラのステージでも披露してやろうと思っている。

なので先日の「ワイン&ハイボールつちや」さんでのライブは、準備をして臨む「店内」「有料」ライブとしては、実に2年ぶりだった。満席御礼、ありがとうございます。

今回の我々のテーマは、新境地の開拓だった。前半でやった「シングルマンズハウス」では、ゆったりとしたパーカスギターから始まり、ちょいオシャレな和音をあてて、独身男のナルシズムを表現してみた。使った曲はトラッド曲の「Man of the House」と、これまたトラッドのリール「●●●」だが、●●●は5拍子に変えていじくっているうちに、もはや原曲をとどめておらずオリジナル曲という扱いになった。実はこういうこと、とても多い。トラッドを演奏するよりも、おもしろい作品を世に出す、という方がモチベーションが高いのだ。演奏はまだこなれてなかったが、どんな印象をもってもらえたか気になるところ。

前半最後の「Whiskey in the Jar」は、酒場で歌うアイリッシュデュオとしてのブランディングを図る我々にとってのキラー曲。最初はD調で練習していたが、「我々のキャラとしては、もうちょい上げるべきじゃね?」とのブクロさんの一言により、E調にあげた。この場合、最高音Eで、それはどうということないが、最高音の周辺をずっとウロチョロするメロディラインなので、私はけっこう声帯を削りながら歌っていた。曲の歌詞は、好きな女性に好かれようお金を盗んで見せびらかすが、やっぱり振り向いてもらえないどころか裏切られちゃうダメ男性のぼやき。まあ世の中いろいろあるけどウィスキーがあるさ、という実にアイルランド曲っぽい歌詞。

ダニーボーイはDで2周演奏したのちGに転調させたが、Gのときのギター伴奏を7カポでやってみた。7カポまであげるとハープのようなきれいな音が鳴るので、転調後のこの曲の雰囲気にはとても良い。ところが私のギタースタイルは、679のテンション音を差し込んだり、内声をクリシェにしたり、絶対音感を武器にその場の雰囲気で演奏を変えるスタイルで、指版のどこを押さえたら(あるいは押さえなかったら)どの音がなる、ということを完全に把握したうえで、演奏中に瞬時にその音を選ぶ、差し込むということをやっている。ところがカポというのは開放弦の音階を変えてしまううえに、7カポというハイポジだと指版の音の認識もやや甘くなっているため、いじりたい曲の演奏はとてもリスキーなのだ。なので一音一音確かめながら奏でた。

スプーンズを大量持参してのスプーンズ講習会は全く予定していなかったもの。こういうのもブクロライブの特徴だし、個性だよな。

後半のダウト爺さん(Dowd’s Favorites)Dは、木フラのらしさ全開の曲。こういう曲にファンがついてくれたら、木フラも本物だ。

後半最後でやった「タムリンズトリッピングダウンザステアーズ」は、新境地開拓の挑戦曲の一つ。クラブサウンドのようなベースラインから始まって、疾走感あるコード展開で走り抜けていく曲。YOASOBIっぽく聞こえてたら、狙い通りだ。

会場の「ワイン&ハイボールつちや」さんは、東本願寺のすぐ北側にあって、地下鉄五条駅すぐ、京都駅からもほど近いバーで、名前の通りワインやシェリー酒、ウィスキーなどの品ぞろえがすごい(小売りもやってる)。店主のつちやさんは音楽マニアで、音楽のことを語らせると蘊蓄が尽きない(笑)。楽器もいろいろかじっておられてるので、今度アンコール枠などで一曲振ってみよう。

(ソージ)

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